商品のパッケージに記載してある原材料名を見ると、添加物の有無や種類が確認できます。
実はこのパッケージに書いてある添加物は、全て表示しなくてもいいことをご存じでしょうか?
表示しなくてもいいってことは、無添加だと思っているものが無添加じゃないってことがあり得るんだ…!
どういう基準で表示しなくてもいいんだろう?
添加物には「キャリーオーバー」という基準があり、該当する場合は表示する必要がありません。
今回の記事では、キャリーオーバーについて詳しくご紹介します。
【キャリーオーバーとは】食品添加物は表示しなくてもいい?
添加物はキャリーオーバーという基準の元、以下に当てはまる場合は表示が免除されます。
食品の原材料に使用された添加物について、次のすべての条件に当てはまる場合は「キャリーオーバー」となり、表示が免除されます。
引用元:加工食品(添加物)|「食品衛生の窓」東京都福祉保健局
- 食品の原材料の製造又は加工の過程において使用されるもの
- 当該食品の製造又は加工の過程において使用されないもの
- 当該食品中には、当該添加物が効果を発揮することができる量より少ない量しか含まれていないもの
簡単に言うと、
- 商品の材料を作る時に使う添加物は表示しなくていいよ
- 商品を製造する時に使う添加物は表示しなくていいよ
- 添加物として商品に影響を与えないなら表示しなくていいよ
ということです。
無添加であっても、材料を作る段階で添加物を使っているケースが考えられるのです。
ただし、キャリーオーバーが認められない添加物がある
キャリーオーバーによって表示が免除されることをご紹介しましたが、一方でキャリーオーバーの条件に該当していても表示が免除されない添加物があります。
それは、直接五感に感じる添加物です。
- 着色料 → 視覚
- 調味料 → 味覚
- 香料 → 嗅覚
これらは私たちの感覚に直接的に影響するため、表示が免除されていません。
キャリーオーバーの他にも表示が免除される場合がある
キャリーオーバーの他にも、次の4つに該当する場合は添加物の表示を免除することができます。
①簡略名・類別名の記載
基本的に使用した添加物は物質名で記載することが原則ですが、一部簡略名や類別名での記載が認められています。
一般に広く知られた名称をもつ添加物の場合には、物質名の代わりに簡略名・類別名での記載が可能。
引用元:厚生労働省:食品添加物の表示について
添加物 | 簡略名・類別名 |
---|---|
L-アスコルビン酸ナトリウム | ビタミンC、V.C |
炭酸水素ナトリウム | 重曹 |
ソルビン酸カリウム | ソルビン酸K |
②一括名での記載
次の14つの項目に該当するものは、一括名での記載が認められています。
・イーストフード
・ガムベース
・かんすい
・苦味料
・酵素
・光沢剤
・香料
・酸味料
・チューインガム軟化剤
・調味料
・豆腐用凝固剤
・乳化剤
・pH調整剤
・膨張剤
引用元:厚生労働省:食品添加物の表示について
例えば「グリセリン脂肪酸エステル」や「ショ糖脂肪酸エステル」と、一見どんな添加物か分からないものでも、一括名の「乳化剤」と記載できます。
一括名にすることで、実際には何を使っているか分からないデメリットがありますが、消費者にとっては一括名の方が馴染みがあり分かりやすいというメリットがあります。
③加工助剤
加工助剤は、厚生労働省で次のように定義されています。
食品の加工の際に使用されるが、
引用元:厚生労働省:食品添加物の表示について
(1)完成前に除去されるもの、
(2)その食品に通常含まれる成分に変えられ、その量を明らかに増加されるものではないもの、
(3)食品に含まれる量が少なく、その成分による影響を食品に及ぼさないもの。
「加工する際に使用されているけれど、量が少なかったり食品に影響を及ぼさないもの」なら記載しなくてOKということ。
例えば、プロセスチーズを作る際に炭酸水素ナトリウムを使ったとしても、加工途中で分解されて最終的な量はわずかであるため加工助剤の扱いになります。
このように、加工段階で使う影響のない添加物は記載が免除されています。
④栄養強化目的
添加物の中でも栄養素の強化を目的としたものも表示の免除に該当し、ビタミン類、ミネラル類、アミノ酸類などがこれにあたります。
免除されているため、私たちは栄養強化目的の添加物が使われているか分かりません。
しかし、商品パッケージを見ると判別できる場合があります。
それは「野菜◯日分」「レタス○個分」のような“消費者にとって分かりやすく例えたフレーズ”が書いてあるものです。
これらの商品は栄養強化目的の添加物が使われていることが多いです。
まとめ:表示基準はさまざま。
今回は添加物のキャリーオーバーについてご紹介しました。
私たち消費者にとって分かりやすく表示する工夫がされている中で、免除されている添加物があることも分かりました。
しかし、商品は身体に悪影響がないことを前提に作られているので、私たち消費者が商品を選ぶ際の基準をしっかりと持っておくことが大事ですね◎
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